ギヘレ・ウォッシングステーションは、ンゴジ県タンガラの標高1700mに位置し、1984年に設立されたウォッシングステーションです。ウォッシングステーションのあるタンガラは、コーヒーの歴史において重要な地域としても知られています。ちょうどウォッシングステーションから6Kmほどの距離に暮らしていたビガインプンジ王子がブルンジのコーヒー栽培の民主化を推し進めた事で知られており、コーヒーはこの土地の主要作物になり、何千人もの地元の人々の収入・生活の向上に繋がったと言われています。そしてこの土地はブルンジ有数の交易地となり、コーヒー生産は活況を呈し、ブルンジのコーヒー産地として今に繋がる重要な歴史を持つ土地でもあります。
ギヘレの活動
現在は周辺の22の丘から1300の農家がギヘレ・ウォッシングステーションへチェリーを納入しています。ウォッシングステーションでは、ヤギや豚の飼育や肥料、苗木の配布など、農民の収益や生活の向上を目指した取り組みを行っています。ブルンジ農学研究所(ISABU)と提携して種子を調達し、ウォッシングステーションの苗床では、年間30000本以上の苗木が育てられ、これまでに20万本以上の苗木を農家へ供給し、彼らの生産性の向上をサポートしてきました。
チェリーの取引においても可能な限り良い価格を支払うために、年に3回の支払いを行っています。収穫期の6月に最初の支払いを実施し、2回目の支払いは夏の終わりに行いまます。また、その後にコーヒーがコンテストで優勝したり、非常に高い価格で販売できた時には年末から年明けごろに、プレミアムを支払っています。また農家は、収穫したチェリーをウォッシングステーションに直接持ち込むか、栽培地域のあちこちにある10~15の集荷場のいずれかに持ち込むこともできます。農家はどこに持ち込んでも、品質の高いチェリーに対して同じ報酬を受け取る事が出来ますので、立地による不利益を被ることなく、輸送費用や労力を抑えて、収穫に専念できるように工夫しています。
ナチュラルの取り組み
ナチュラルコーヒーは、ブルンジではあまり一般的ではなく、ウォッシングステーションにとっても新しい挑戦でもあります。その分品質を重視するために細部まで注意を払って生産に取り組んでいます。
全てのチェリーは納入後、すぐに2度の選別が行われます。はじめにタンクでフローターや不純物を取り除き、フローティングの後に再度熟度別にチェリーの選別が行われます。
その後、ウォッシングステーションの持つ230台の乾燥テーブルにロットごとに広げられ、ピッカーがテーブルに並び、品質検査で見逃した傷や欠点のあるチェリーを取り除きながら、3~4週間かけて乾燥を進めます。また、乾燥中の降雨や日中の最も暑い時間帯、夜間の冷えからチェリーを守るためにこの間は防水シートでチェリーを多い、11.5%の水分まで仕上げています。